消える前に……


俺はそれを手にとって、

封筒に着いたほこりを

払い落した。


「なんだろこれ……?
なんでこんなところに
封筒なんかが入ってるんだ?」


俺にはその封筒が、

どんな封筒なのか

分かっていなかった。


「あ、わかった……!
中学の頃のテストだな……!?
本棚の奥に入れるなんて、
俺もべたなことするもんだな〜!」


俺は自分でそう言って、

笑っていた。


そして封筒の口の部分を

確認した。


封筒の口はのりで

しっかりと閉じられていて、

俺は破って

開けることにした。


「何点なんだろ?」


中身はテストだと

しっかり思い込み、

ふざけ半分で

封筒を破り始めた。



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