消える前に……
真っ暗なはずの
瞼の裏に映る映像……?
知らないはずのことなのに
なぜか懐かしくて……
知らないはずのことなのに
なぜか大切に
思える思い出だった……。
その思い出がまた、
俺のもとから離れ
薄くなっていく感じがして
俺はその映像に
手を伸ばした……。
俺の手が、
その映像に触れた時、
俺の頭にその思い出が
流れ込んでくるような
感覚がした……。
そして、
最後に綾が
俺の目の前に現れて、
俺を優しく
抱きしめてくれた………。
そこで、
夢か現実か分からない映像は
急に途切れた……。