消える前に……
俺は目を開き
手紙の続きを読んだ。
覚えてる………。
これは俺の一番大切な
思い出で……
一番大切な人だ……。
俺は手紙を読みながら
涙をこぼした………。
綾……
俺、何してたんだ……。
やっと戻ってきた
一番大切な記憶-
全部が思い出されたわけじゃない。
ほとんど忘れてる…。
忘れたことの
1割も思い出せてない……。
だけど、
俺が一番思い出したかった、
一番なくなってほしくない記憶は
鮮明に蘇ってきた。