消える前に……
俺がそこまで話した時に、
綾は消えてしまい、
俺は真っ暗な世界に
一人取り残された。
「綾!!」
俺が叫んでも、
ここには暗闇以外は
何もなくて、
俺の声も
響くこともなかった。
「綾……」
俺はもう一度
そう言ったところで
目を覚ました。
「俺の部屋……?」
俺はさっきまでのことが
夢だったことを知った。
「夢か……なんだったんだ……?
さっきの夢は……。」
俺は顔に手をやった。
俺の顔は
涙でぬれていた。