消える前に……
階段を駆け下り、
玄関に走って行った。
「修!?どうしたの!?」
親がリビングから出てきて、
慌てて家を飛び出そうとする俺に
声をかけてきた。
「今から朋樹たちと初詣行くことになった!!」
俺はその場で
思いついた嘘を
親に言って、
家を飛び出した。
俺は駅に向かって
走りながら、
綾に電話をした。
「修君?」
携帯から綾の声が
聞こえてくる。
「今から行くから……!」
それだけ伝えて、
俺は電話を切った。
何で会いに行くのかとか
他のことは
何も言わなかった。