消える前に……
電話なんかで
話したくない……。
ちゃんと綾に
直接話したい……。
俺は何も考えず、
ただ綾の家に向かって
急いで行った。
そんなに長い時間は
かからなかったと思うけど、
今の俺にとっては、
百年よりも長いような、
そんな気さえした。
早く会いたい……
早く会いたい……。
その気持ちだけが、
俺の足を動かしていた…。
俺は綾の家の近くの駅で
電車を降りて、
綾の家の前まで
走っていった。