消える前に……
「じゃあ頑張ってこいよ!!」
俺たちはそう言って
一輝と奈央を送り出した。
二人が会場に
入って行く姿を見届けて、
本当にあと少しで
みんなばらばらになっちゃうんだ
ということを実感した。
「そういえば今何時?」
二人を見送り終わって、
駅に向かって歩いている時に
朋樹が言ったその言葉で
俺たちは焦ることになった。
「完全遅刻だ〜!!」
そう言って俺たちは
学校まで走って行った。
それから数日も日を置かず、
朋樹と未紀と綾の受験もやってきて、
毎回俺たちは
みんなで見送りに行った。