消える前に……
家に帰ると俺は
リビングに向かっていった。
床に鞄を下ろし、
ソファに座って
ぼんやりとテレビを見ていた。
前までの慌ただしい毎日が
嘘のように思えるくらい、
気が楽になった。
俺がしばらくテレビを見ていると、
母親がリビングに入ってきて、
俺に話しかけてきた。
「修、ちょっと良い?」
母親は真剣な表情をして
俺にそう聞いてきたから、
俺はテレビを消して
話を聞くことにした。
「今日、病院の先生から電話があったの。」
「うん、何かあったの?
定期検診はまだ先だし……。」
俺はそう言って、
話の先を促した。
「病気のことで新しいことがわかったから
明日病院に来てくださいって。」