消える前に……


もう本当にわずかな希望も

見えないほどに

絶望の果てにまで

落とされてしまった。


病気の新たな発見は、

治療方法や対策などだと

信じて疑わなかった。


だけど教えられた現実は

その正反対の事実で

俺の希望は

むしり取られてしまった。


俺は、

医師に小さく言った。


「わかりました……
ありがとうございました……。」


俺はそう言って、

部屋を出て行った。


親も俺の後を

追いかけてきて、

俺を車まで連れて行った。


行きとは全然違う

気持ちで俺は

窓の外の光景を見ていた。



俺は……



俺は………。



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