消える前に……


俺は家に着くと、

すぐに自分の部屋に入った。


毎回病院に行って

帰ってくると、

自分の部屋に

入ってしまう。


全然変われていなかった。


部屋に入って

ベットの上に座り、

魂が抜けたように

どこを見るでもなく、

視線をさまよわせていた。


その時、

机の上に置かれたノートに

目が行った。


そのノートは

昨日の夜までずっと

書いていた日記だった。


俺は特に理由もなく、

そのノートを手に取って

ぱらぱらとめくった。


そのノートの

1ページ1ページには

その時の俺の気持ちが

鮮明に書かれていた。


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