消える前に……


俺が生きたことにも、

意味があったって

言えるようになるのかな…?


そんなことさえも

俺には全然わからなかったけど、

それでも俺は

未熟なりに

心に堅く誓ったのだった。


でも、

俺の決意はまだ少しだけ

ぐらつきそうだった。


だから俺は

一つだけ自分に

幸せを作ることにした。


そんなことを一生懸命

考えているうちに、

日は沈んでしまい、

空には大きな月が昇っていた。


いつも俺を見下ろしている

変わらない月……


だけど、

今日は少しだけ

小さく見えた気がしたんだ。


本当に少しだけだけど……。


< 345 / 503 >

この作品をシェア

pagetop