消える前に……
「修君、どこかで頭打ったの?」
「ひでぇ!ははっ!!」
俺がそう言って
笑いだすと、
綾も笑いだした。
綾と話すのは
本当に楽しくて、
幸せだった。
「あのさ、来週の土曜日デートしない?」
俺がそう言うと
綾は嬉しそうな声で
返事をしてくれた。
「うん!楽しみにしてるね」
「じゃあまたね。」
そう言って俺は
電話を切った。
今日は本当に辛いことが
あったというのに、
俺はそれよりも
来週のデートが楽しみで
しょうがなかった。