消える前に……
何も心配も、
悩みもせずに。
幸せなんて
形じゃないんだ。
だから無理に
幸せの形を
考えなくたっていい。
今幸せなら、
幸せだって
感じていればいい。
俺の決意したことを考えて、
幸せじゃなくなるなんて、
そんな悲しいことには
絶対なってほしくない。
俺はゆっくりと唇を離した。
暗くてよく見えなかったけど、
綾の顔は
悲しい顔をしていた。
だから俺は
あえて明るく振舞って言った。
「写真撮ろうよ?
まだ少し残ってるんだ!」