消える前に……
俺はそう言って、
カメラを取り出した。
綾は俺の雰囲気の変わりように
ついていけないといった感じで、
驚いたような表情をしていた。
俺は綾と向かい合って
座っていたのを、
綾の隣に移動して、
綾の肩に腕をまわした。
綾を自分の方に引き寄せ、
顔をくっつけて
写真を撮った。
いきなりで驚いた綾と、
歯をニッと見せて笑った
俺の笑顔。
良い思い出になったかな?
「綾、俺最高に幸せ者だし!」
俺がそう言って、
もう一度綾に
笑顔を向けると
綾も同じ言葉を言った。
「綾も最高に幸せ者だよ!」