消える前に……


俺はそう言って、

カメラを取り出した。


綾は俺の雰囲気の変わりように

ついていけないといった感じで、

驚いたような表情をしていた。


俺は綾と向かい合って

座っていたのを、

綾の隣に移動して、

綾の肩に腕をまわした。


綾を自分の方に引き寄せ、

顔をくっつけて

写真を撮った。


いきなりで驚いた綾と、

歯をニッと見せて笑った

俺の笑顔。


良い思い出になったかな?


「綾、俺最高に幸せ者だし!」


俺がそう言って、

もう一度綾に

笑顔を向けると

綾も同じ言葉を言った。


「綾も最高に幸せ者だよ!」


< 369 / 503 >

この作品をシェア

pagetop