消える前に……


そう言って、

俺のまねをして、

歯をニッと見せて笑った。


俺はもう少し

綾と一緒にいたかった。


だから自分への

最後のプレゼントとして、

綾に提案した。


「今日、俺の家に泊まらない?」


もう少し綾と一緒にいたい。


まだ話したいことが

たくさんあるんだ。


まだ話し足りないんだ。


だからもう少しだけ

俺に時間をください。


「良いの?ありがとう!
たくさん話そうね。」


綾は俺の方に

もたれかかってきて、

頭を俺の肩の上にのせた。


「うん、たくさん話そう。」


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