消える前に……


でも俺の視線は

テレビの画面ではなく、

ずっと

キッチンに立つ綾の方に

向いていた。


てきぱきと動き、

手際よく料理を作っていく。


と思ってたけど、

綾は何か

迷いながら料理してた。


「ははっ!綾らしい。」


俺は綾に聞こえないように

小さく笑って呟いた。


そして、

キッチンに立って

料理をする綾を見て、

俺は想像していた。


きっと俺と綾が結婚して、

夫婦になったら

こんな毎日が待ってるんだろうな。


こうやって綾が

料理作ってる所を見て、

綾らしいって思って。



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