消える前に……
◇全ての一歩
俺は自分の家まで歩き、
玄関のドアをあけた。
玄関のドアを開けると、
まだ家には誰も
帰ってなかった。
「ただいま……」
小さく言う俺の声だけが
家の中に響いた。
返事をする声も、
物音も何もなくて
少しさびしくなった。
だけど、
よかったって思った。
今の俺、
絶対目真っ赤になってる。
涙だって
止まらずに出てるし。
こんな顔、
家族には
絶対に見せたくない。