消える前に……
校庭を歩く俺たち。
絶えない笑い声。
校門のところで
俺は立ち止まって、
みんなの方を向いた。
「あのさ!!
みんなには悪いんだけど、
綾と二人で帰っても良い?」
俺がそう言うと、
みんなはくすくすと
笑い出した。
俺がそう言うこと、
わかってたみたいに。
「ほら!!綾、御指名だよ!!」
綾の友達の一人が
そう言って、
綾を俺の方に連れてきた。
「う、うん!!」
突然のことで、
綾は顔を赤らめたまま
俺の方にやってきた。
「帰ろっか!!」