消える前に……


でも、

俺にはもう

そんなことする資格なんて

どこにもないんだ……。


「綾にだって夢があるし。
大学にだって行くんだろ?」


俺は綾を離しながら、

そう言った。


「そんなのどうだって良い!!」


綾はうつむいたまま、

気持ちを打ち明ける。


「綾……。」


「私は修君と一緒にいたいの。
修君と一緒にいることが、
私の一番の夢だから……。」


顔をあげて

言った綾の頬には、

一筋の滴が流れていた。


「ごめん…。
俺、もう綾とは
一緒にいられない……。」


「なんで……?」


しっかりと俺の目を

見つめる綾の視線が

すごく苦しかった。



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