消える前に……
「俺、明日から病院行くよ。もう……」
続きは言わなかった。
言いたくなかったから。
「これ以上家にいてもマズいだろ?だから。」
俺はそう言って
ソファに座った。
静かになった部屋に、
テレビの音だけが
響いていた。
「修が決めたことなら、
何も言わないよ。」
母親がそう言った。
「修は本当に成長したな…。」
悪い…父さん。
俺、全然成長何か出来てない。
「本当だよ。俺の何倍も。」
秀兄…。
俺はそんなに…
大人になんかなれてない…。
「あのさ、一昨日の写真。
いつ頃できるかな?」