消える前に……


重たい体を引きずって

ベットに倒れ込んだ。


起き上がる気力なんて

かけらも

浮かんでこなかった。


顔の向きを変えて、

窓のほうを見た。


外にある景色は

何も変わっていない。


たぶん

これからも変わらない。


変わっていくのは…

俺の方だ…。


その景色も涙で歪んで

見えなくなっていく。


眠ることはできなかったけど、

目を閉じて

夜を過ごした。


何百の夜を過ごしたかのように

長く感じられる夜は、

今までの悲しみとか

寂しさとか

そういうのを巻き戻した。



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