消える前に……


ベットの隅に腰をかけ、

俺の部屋を見回していた。


「修の部屋入るのって
本当に久しぶりかも……。」


秀兄が小さくつぶやいた。


俺は何も応えず、

窓の方を見ていた。


「昔はこの部屋
3人で使ってたんだよな…。」


思いだすように

秀兄はつぶやく。


「……。」


お互い話すこともなく、

部屋に沈黙が流れた。


「写真、もらいに行こうか?
車出すよ。」


秀兄がそう言って、

俺はやっと口を開いた。


「ありがとう…。」


また部屋に

沈黙が流れる。



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