消える前に……
俺の案内で
綾の家に向かって
車は動いて行く。
そんなに時間もかかることなく、
綾の家に着いた。
何度も来たこの家…。
綾と俺との思い出が
たくさんある。
俺は車を降りて、
玄関の方に向かって歩いた。
フェンスの前に立った時、
今までの思い出が
浮かんできた。
いつの間にか
忘れてしまった記憶たちも、
自分のもとに帰ってくる。
ここで涙を流した綾の姿。
その時にした
俺の約束。
守れなかった…。