消える前に……


守れないってわかってた。


自分の病気のこと

知ってたから。


だけど、

約束せずには

いられなかった。


約束することで、

綾の心の中に

俺の存在を残したいと

思っていた。


誰の心の中にも

残らずにいるのは嫌だった…。


心配かけないために、

誰にも想われないように…。


そんなかっこいいことできるほど、

大人じゃなかった…。



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