消える前に……


自然と

握るこぶしに力が入る。


何もかも忘れて、

後悔だけが

心の中に広がっていく…。


「うっ……。」


頭に痛みが走る。


後悔している時間も

俺にはないことが、

告げられる。


前を向いて、

インターフォンを押した。


少ししてから、

綾の母親が

インターフォンに出た。


「鈴木ですけど、
今大丈夫ですか?」


頭痛はどんどん

頭の中で膨らんで、

話すのもえらくなってくる。


< 470 / 503 >

この作品をシェア

pagetop