消える前に……


「少し待ってて。」


そう言ってから少しして

綾の母親が出てきた。


「どうしたの、修君?
綾は今いないんだけど。」


綾の母親は、

俺の病気のこととか。


何も知らない。


いつものように、

明るく接してくれる。


だけど、

俺の様子を見て

心配そうに

駆け寄ってきた。


「顔色すごく悪いじゃない!!」


俺は無理に笑顔を作って、

返事をした。


「大丈夫です。
話があるんですけど、
聞いてもらえませんか。」


俺がそう言うと、

綾の母親は

俺を家の中に招いた。


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