消える前に……


綾の母親について行き、

リビングに行った。


できれば家には

入りたくなかった。


綾のことを

どんどん思い出してしまうこと、

わかっていたから。


「どうぞ。」


綾の母親は

紅茶を出してくれた。


「話って何かしら?」


綾の母親が俺に尋ねる。


俺は口を開いて、

話し始めた。


俺の病気のこと。


綾に伝えたこと。


俺の決めたこと。


俺の話は自然と、

暗くなっていってしまう。


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