消える前に……
それでも綾の母親は、
俺の話を最後まで
黙って聞いてくれた。
最後に、
綾への感謝を伝えた。
「修君……。」
綾の母親は
複雑な顔をしていた。
「何て言ったらいいか…。」
言葉にすごく
迷っているようだった。
「俺、謝らなきゃいけないんです。
綾に本当にひどいことをした…。」
「絶対そんなことはない!!」
綾の母親は
すぐに言い返してきた。
「俺は約束守れなかった…。
無責任なことばかりした。」
「私はそうは思わない。
修君には本当に感謝しているし。」
綾の母親の言葉が
胸に突き刺さる。