消える前に……
数十分して、
車は青西駅の近くを通り過ぎ
青西高校に
近づいてきた。
駅を過ぎた頃から、
青西の生徒の姿が見える。
みんな楽しそうで、
嬉しそうで。
俺とは違う世界のような…
そんな気がしてならなかった。
「学校の中も寄っていくの?」
秀兄が俺に尋ねる。
「いや、通り過ぎてくれるだけで。
それだけで良い。」
呼吸を整えながら、
ゆっくりと
言葉を返す。
「…っ……。」
俺の目に
姿が映る……。