消える前に……
「修君……。」
読み終わった後の
綾の目には
涙がたまっていた。
綾はこぼれる前に、
それを拭いて
手紙を封筒の中にしまった。
「私もう、泣かないよ…。」
そして封筒の中から
2枚の写真を取り出した。
一枚は最後のデートの時に、
観覧車の中で
撮った写真だった。
驚いた綾と、
笑った修君の映った
写真だった。
もう一枚の写真は、
寝ている綾の頬に
修君がキスをしている
写真だった。