消える前に……


俺は

綾のことが好き……?


そう考えると、

急に心臓がドキドキしてきて、

顔が赤くなった。


「勝手に決めんなよ!」


「修……
今の修を見て、
気付かなかったらかなりまずいぞ……」


「綾は…何ていうか…。
気が合うっていうか、
一緒にいて楽しいっていうか。」


「素直に認めろよ」


「認めるもなにも、
まだ好きなのかどうかわかんないし。」


俺は、

綾のことをどう思っているのだろう……?


その時俺は思い出してしまった。


綾と初めて会った日の帰り、

綾が男の人と一緒にいる所を。


「綾って付き合ってる人いるし。」


「まじ!?
知らなかった……。」


「……。」


俺は黙り込んでしまった。


今まですっかり忘れていたが、

綾には付き合っている人がいるんだ。


そう思っただけで、

すごく辛くなった。



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