消える前に……



次の日も

俺は早起きをした。


今まで朝を起きるのが苦手だった俺が、

2日も連続で早起きできるなんて珍しいな。


そんなふうに軽く考えていたが、

これはまぎれもく病気の進行だった。


俺は、

一番好きなCDをかばんの中に入れて、

朋樹と一緒に学校に向かった。



教室の扉を開けると、

すぐに綾が俺に挨拶してきた。


「修くん、おはよう!!」


「おはよう、綾。」



昨日、

朋樹があんなことを言ったせいか

綾の顔を見ただけで

顔が真っ赤になってしまった。


「CD持ってきたよ!」


そう言って

綾は俺にCDを渡してきた。


「ありがと…」


俺は、

綾の顔をまともに見ることができなかった。





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