消える前に……



俺は家に帰ってから、

宿題をした。


早いうちに終わらせて、

たくさん話したかったからだ。


俺は、

宿題が終わると、

すぐに綾に電話をかけた。



メモを見ながら、

何を話そうか考えながら

携帯のボタンを押していく。



話すことが決まる前に

電話番号を打ち終えてしまった。




プルルル-


静かにコール音が鳴る。


俺の心臓が高鳴りだした。


いつも学校で普通に話しているのに、

なぜか電話で話すとなると緊張する。


俺は、

綾が出るのを待った。



プルルル-


1コール、

1コール鳴るたびに、

俺の緊張は大きくなっていく。



「もしもし」




< 69 / 503 >

この作品をシェア

pagetop