消える前に……

電話から

聞きなれた綾の声が聞こえた。


その瞬間に、

頭の中が真っ白になってしまった。


「俺!
俺だけど!」



「修くん!?
ありがとう!」


自分で恥ずかしくなった。


俺、

なんでこんなに緊張してるんだよ。


電話で話すことくらい、

今まで何回でもあったのに……。


俺は、

大きく深呼吸して

心臓の高鳴りを抑えた。


「俺が貸したCDもう聞いた?
俺、綾から借りたの今から聞こうかな!」


「聞いたよ!
あの曲聞いたことあったよ!」


「そうなんだ~」


俺は、

そう言いながら

CDをプレイヤーに入れた。


曲が流れ始める。


ゆったりとした感じで

とても癒される曲だ。




< 70 / 503 >

この作品をシェア

pagetop