消える前に……
「もう12時だね」
「そろそろ寝ようか……?」
「そうだね。
明日も学校あるし。
おやすみ!また明日学校でね!」
「うん!
おやすみ。」
綾との電話が終わり、
携帯を閉じると部屋が急に静かに感じた。
なんだか、
みんなが自分の周りから
いなくなってしまったみたいな。
俺は、
CDを止めて
お風呂に入りに降りていった。
「今日は綾とたくさん話したな。
明日も学校に行くのが楽しみだな!」
俺は、
いつの間にか笑顔になっていた。
俺はまだ知らなかった……。
これからの自分の運命を……
誰も自分の未来なんてわからない……
だから、
大切なことを後回しにしてしまうんだ。
今と言う瞬間は
二度と戻ってこないのに………。
未来がどうなっているかなんて
わからないのに………。