消える前に……


「はい」


「修、何で今日来なかったんだよ!?
電話してもでねえし!!」


「え……?
今日何かあったっけ……?」


「修……?
本当、お前最近どうしたんだよ……?」


朋樹が何を言っているか

全くわからなかった。


「何でもないけど……。
今日……今日………」


全く思い出せない。


何か約束したっけ?


「今日、
俺とお前と塚本で映画行くって約束してただろ?
お前が塚本誘ったじゃん。」


「ごめん!!
すっかり忘れてた!!」


俺は咄嗟にそう言ったが、

実際は全く思い出せなかった。


何度も朋樹に謝った。


電話を切った後、

体中から冷や汗が出てきた。





わかってしまった……。


自覚してしまった……。




「病気が進行し始めてる………。」



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