消える前に……
次の日、
朋樹が俺を迎えにやってきた。
一緒に学校に歩いて行く。
朋樹はいつものように俺に、
話しかけている。
昨日の病院のことには
触れてこなかった。
朋樹は昔からそんな感じだった。
俺が『聞かれたくない』って思ってることは
『聞かないで』なんて
言わなくたって聞いてこなかった。
俺は、
朋樹の話しをしっかり聞けなかった。
朋樹には伝えた方がいいのか……?
やっぱり伝えないでおいた方が……。
ずっと、
一日中悩んでいた。
学校の帰り道に、
朋樹が急に俺に言ってきた。
「俺、こうやって修とふざけあってたいな。
大人になっても、おじさんになっても。」
朋樹は、
俺が元気ないのを気遣ったのか。
俺の心が読めるかのように。
俺は、
その言葉を聞いて決めた。
やっぱり言おう……。