消える前に……
「朋樹……。
俺、朋樹に話さなきゃいけないことがある。」
俺は、
歩く足を止めた。
同時に朋樹も歩く足を止め、
俺の方を振り返った。
「そこの公園行くか?」
俺と、
朋樹は公園に入っていった。
公園のベンチに座ると、
俺は重たい口を開いた。
「話さなきゃいけないことって言うのは………」
続きを言おうとしても、
なかなか言葉にならなかった。
このことを話したら、
朋樹は俺から離れていってしまうのかな?
違う……
もう決めたんだ。
そのことも言うってことを。
朋樹は優しいし、
いいやつだってわかってる。
だから……。
だから怖いんだ……。
辛いんだ……。
大切な親友を
失ってしまうかと思うと……。
「うん……。」
朋樹は返事だけして、
続きを無理に聞こうとはしなかった。