消える前に……
いつも明るくて
騒がしいやつだけど
今は何も話さずにただ、
俺の方をじっと見て。
朋樹の目を見たら、
俺の心が少しだけ軽くなった。
俺は続きを話し始めた。
「俺……病気なんだ。」
「うん」
「その病気ってのが、
徐々に心を失っていくっていう病気んだ。」
「うん」
「だから、
朋樹に迷惑かけるかもしれない。
もしかしたら、
朋樹にひどいこと言っちゃうかもしれないし、
前みたいなことがまた起きるかもしれない。
だから……」
俺は、
朋樹に病気のことを告げるのと一緒に
もう一つ言おうと決めていたことがあった。
本当は言いたくなんかない。
だけど、
大切な人を傷つけるのはもっと嫌だった。
だから、
俺は手放すことにしたんだ。
「だから、
もう俺とはもう関わんない方が良い……。
朋樹のこと傷つけたくないから……。
だから……。」
その言葉を言った瞬間、
朋樹が立ち上がった。
これで良いんだ……。
これで………。