光

フレア

人間界、それは光と影が常にバランスを保ちながら存在する世界。


少しでも光と影のバランスが崩れると崩壊してしまう為、この世界にはどの時代にも裕福な者、貧乏な者が存在していた。


その裕福な者の中にもどの分野にも長けている全てを手に入れた者がいた。

名は「フレア」21歳。


若くして様々な一流企業を立ち上げて女社長をしている。


いわば、人生の勝ち組だ。


フレア「ほら！いつまでそれやってる の！遅い！クズ！そこにいるあんたもよ！紅茶に砂糖は2つと言ったでしょ！一度で覚えなさい！クビよ！クビ！」




社員「申し訳ありません！どうかもう一度チャンスを！ここを辞めてしまったら家族全員飢え死にしてしまうんです！どうか…。」



フレア「私には関係ないわ。」



彼女は横暴で社員に情けなどは一切かけなかった。しかし、そんな彼女にも愛する者がいた。


夫の「カイト」だ。カイトはフレアとは真逆でとても温厚で親しみやすいと近所でとても有名であった。



その為、周囲の者は皆、カイトにこう尋ねた。「奥さんって、こう…少しワガママじゃない？嫌になったりしないの？」と。




すると、彼は決まって笑顔でこう答えた。



「嫌に？そんなこと一度も思ったことないよ。私は彼女を愛しているからね。」



そう言った彼の服はよれよれで、食べ物もろくに食べていない様子のガリガリに痩せた体、顔はやつれてもいた。