君に、会いたい。〜君と過ごしたｻｲｺﾞﾉﾋ〜

「れ……お…………。

零…………なの…………………？」



『ったく、俺以外に誰がいるっつうんだよ！！』




そう言い、空中から降りる零。






「れ……………！！！」



零……………っ！！



私は、零に抱き着いた。




零は、『ってー、柚子希、しばらく見ないうちに、力強くなったんじゃね？』と、笑いながら言った。





『柚子希、顔見せて。』



零のその問いに、私は顔を零の服に埋めて、横にふった。





『っ………………、いーから、見せろ！！』



零が、私の顔を服から無理矢理はぎ取った。





『！！』


そして零は



『わ、ﾜﾘｨ。』


そう言って、ﾊﾞﾂが悪そうに私の顔を服に埋めた。



だって、普通そうだよね。





いきなり顔見たら、泣いてるんだもん――――――。














零と話したから、涙が止まらない。




もう二度と零と話が出来ないと思ったから。



ああ、私の顔、ぐちゃぐちゃになって、不細工なんだろな。





零の前だけでは、可愛くさたかったのに。



『……なぁ柚子希。』


頭の上から、零の声が聞こえた。




『俺さぁ、最後にどーしても柚子希と話したくて。

事故にあった時、ああ、もう柚子希と話せないんだって。

柚子希の笑顔、見る事出来ないんだって。

そうしている内に、意識がなくなったんだよな。

だから、柚子希の事考えていたら、全然痛くなかったんだ。』



そこまで言っていた時は笑っていた。






――でも。








――ポロポロ…………。