secret act Ⅰ
その視線に気付いた朔はすぐ本題を話し始めた。
「この人が一ノ瀬和樹先輩(イチノセカズキ)。知ってるか?」
ペコッと一ノ瀬先輩とやらがお辞儀した。
先輩だったのか...
『......見たことはある。』
「実は、頼みたいことがあるんだけど....「自分で話すよ。」」
朔を遮って、一ノ瀬先輩が切り出した。
「君のことは今日初めて朔から聞いたんだ。」
ジロッと朔を睨むと、 慌てて目をそらされた。
「そんな睨まないでやって....」と、先輩は苦笑いする。
『.........それで私になんの頼み事なんですか??』
「君が演技が上手なことを聞いた。君に婚約者のフリをしてほしいんだ.....」
その顔は真剣だった。