secret act Ⅰ
「うちは一般家庭だから付き合ってもないのに婚約者とか無縁だと思ってたんだ...
でも、この前の日曜日にいきなり電話がかかってきて、親父の今取引している会社の社長とその娘が来たんだ。で、いきなり婚約の話を持ちかけられた。」
『.....』
「まったく知らない相手だし、何より生理的に受け付けなかったし断ったけど引いてくれなくて"他に婚約者がいるから無理だ"って言っちゃったんだよね....」
眉を下げ苦笑いしながら言う。
なんでそんなすぐバレるような嘘を....
「そしたら"その方を紹介してください。"って......」
「親父はその時は一切口を出さなかったんだ。で、そいつらが帰ったあと、俺は焦ってなにも考えずに色々言ったことを思い出して謝ったんだ。
そしたら親父"お前の好きにしていいぞ。仕事のことは気にするな"って....」
『......優しいお父様ね。』
「おう!!自慢の親父なんだ。
仕事が好きでスゲー頑張ってるのも知ってる...だから、取引がだめになったり迷惑はかけたくないんだ...」
先輩は段々声が小さくなり俯いた。
「...だから、協力してくれないか?」