secret act Ⅰ
『相手の事がわかるチャンスと思って…
わからないままじゃどうしようもないし、
相手も分かりやすく接触してきてくれたので乗ってみました』
「…乗ってみました。って」
声の方を向くと美空が顔をあげていて、
私を不安げに見ている。
『………だから……』
そう言って一旦言葉を切り、きちんと朔と美空の方を向いて
『…だから、今回は協力してくれる?』
"協力"今までは家でだけだったけど、今回は違う。
きっとわざわざ言ったことで意味はわかってくれてるはず…
朔と美空は驚いたように目を見開いた後、複雑そうにだけどどこか嬉しそうに笑って頷いてくれた。