secret act Ⅰ



『.....そう...ですか...』とうつむいた。


「すべて...思い出したの?」
と少しためらいながら篠さんは聞いてきた。


『......たぶん....』


「そう.......でも、忘れたふりする必要はないんじゃない?」

と、悲しげに言う。


『......もう時間が...ないから..』

「時間?」

篠さんは怪訝な顔で私に問いかけるけど、何も答えず黙りこむ。


私だけしか知らないこと--
他の人は巻き込みたくないから、誰にも言うつもりはない。


「.......何があるのかはわからないけど...........そのせいで彼らから離れようとしたの?」

『......はい』

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