secret act Ⅰ
《篠 直美side》
彼女の目は切なく不安そうに見える。
けれど、私から目を反らさず手をギュッと握り"守りたい"という意思も見てとれる。
5年前、父に同姓のサポートが必要と言われ初めてあった時の彼女は息はしてても生きてるようには見えなかった。
目は何もうつすことなく1点を見ているだけ...
その姿は"絶望"を表していると思った。
すべてを拒絶.....そう、自分の事すら...
話しかけても返事が返ってくることはなかった。