secret act Ⅰ
『ない......何も無ければ何も無くさないから...』
と、小さい声で言った。
その顔は元々表情がなかったが、
更になくなり" 無 "を表していた。
その顔を見て一瞬、記憶があるのかと息を呑んだ。
けどそうじゃなくて 、記憶を無くした彼女には違う理由を教えたけど、両親が亡くなったのは事実。
そして、やっぱり奥底に記憶はあって知らず知らずのうちに何も望まないように自己防衛してるんではないかと思った。