secret act Ⅰ



心を閉ざしてもうっすら聞こえる声


「大人しくしてたらすぐすむよ」


「裕美は美恵とそっくりだね。でも、美恵と違っていい子だ」


何度も聞こえる" 美恵 "と" 裕美 "

荒い息づかい....

体に這う手....



――――どのくらいたったのかその人は動かなくなった私の身なりを綺麗に整えソファーに人形を座らすかのように私を置いた。


そして、私の耳元に顔を近づけ

「美恵はだめだったけど.......裕美はもぅ俺のものだよ。」

そう言って耳元から離れた。そして...

「16まで自由をあげるよ。16でむかえるこの日に迎えに行く。裕美はもぅ俺のだからくれぐれも大事な人は作らないように......じゃないとああなっちゃうよ」

と、笑みを浮かべたまま父と母をチラッと見て私にキスをし何かを飲まされた。


そして、満足げに笑いながらその人はいなくなった。









―――これが5年前、私に起きたこと


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