secret act Ⅰ



ご飯を食べ終われば組員の人が「片付けぐらいは俺達でできますんで。」と、やってくれた。


残りの組員の人も仕事に戻り、広間にいるのは私達だけ。


「裕美さー.....今、演技してないんだよね?」

唐突に美空が言った。


『してないよ?』

不思議に思い首を傾げながら答えると

「だよねー...何か変わった.....いや、戻った?」

肘をついた両手に顎をのせ、私を見て微笑んだ。


『戻った?』

意味がわからなくてまた首を傾げる。


「うん。.....あれが起きる前の裕美に。」

少し言いづらそうに言った美空。


「あっ、俺も思った!!」

朔も同意してるけど、私にはわからない。


『何が戻ったの?』

「あの後....まったく表情なくなって、そのうち作り物の表情出すようになったけど....
ここに来てから表情が出るようになった!!
作り物じゃなくてちゃんと自然な昔みたいな表情!!」

そう美空が言って、朔と2人嬉しそうに笑った。


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