secret act Ⅰ
『これ?』と、ネックレスを持ち上げる。
持ち主が翔貴さんとわかり、1度は返そうとしたネックレス。
受け取ってもらえずまだ私の手元にある。
元々ピアスだった。
その対のピアスは今も翔貴さんの左耳にあって右耳はあいたまま.....
持ち上げたネックレスを下ろし、そのまま手を後ろに回し外したネックレスを『はい。』と、翔貴さんの前に出した。
それを見て「なんだ?」と、怪訝な顔をした。
『ピアスに戻すんでしょ?』と、首を傾げれば
「逆だ。逆。」と、ネックレスをとられまた私の首につけた。
『逆?』
「あぁ。このピアスをネックレスにしてもらうんだよ」
翔貴さんは左耳を触りながら微笑んだ。