secret act Ⅰ



『これ?』と、ネックレスを持ち上げる。


持ち主が翔貴さんとわかり、1度は返そうとしたネックレス。

受け取ってもらえずまだ私の手元にある。

元々ピアスだった。
その対のピアスは今も翔貴さんの左耳にあって右耳はあいたまま.....

持ち上げたネックレスを下ろし、そのまま手を後ろに回し外したネックレスを『はい。』と、翔貴さんの前に出した。


それを見て「なんだ?」と、怪訝な顔をした。

『ピアスに戻すんでしょ?』と、首を傾げれば
「逆だ。逆。」と、ネックレスをとられまた私の首につけた。


『逆?』

「あぁ。このピアスをネックレスにしてもらうんだよ」

翔貴さんは左耳を触りながら微笑んだ。


< 397 / 476 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop